天然ガス自動車(てんねんガスじどうしゃ、英語: natural gas car)は、天然ガスを燃料とするエンジンを搭載した自動車で、天然ガス式輸送機器(Natural Gas Vehicle、略称:NGV)の一種。CNG(compressed natural gas)自動車とも呼ばれる。
ディーゼルエンジンを搭載した自動車より排気ガス中の有害物質(黒煙・NOx・SOxなど)が大幅に少ないということから、環境対策として自動車燃料に使われ広まりつつある。しかし、圧縮天然ガス利用の場合は燃料が気体であるため、貯蔵性・運搬性に劣るのが弱点である。天然ガス自動車のエンジンはディーゼルエンジンベース(バス・トラックに搭載)、ガソリンエンジンベース(バンなどに搭載)の双方がある。
ディーゼル車と比較した天然ガス自動車の排出量の比較は以下の通り。
天然ガス供給・車両のいずれも初期導入のコストが大きく、ガススタンド(LPGの スタンドとは異なる)の拡大とベース車両の1.5から2倍程度にもなる車両本体価格の低減が普及の為の課題となっている。これは、将来排出ガス中の有害物 質が天然ガス自動車に遜色ないレベルのディーゼルエンジンが開発された場合、導入側にとってはその時期の天然ガス自動車だけが特殊な車両としての位置づけ となってしまい、投資額に見合わないものになってしまう可能性があるためである。
現実に、オランダの商用車メーカーDAFで は、1980年頃に政府からの補助金を得た上で、当時のディーゼルエンジンより排出ガス中の有害物質が大幅に少ないエンジンを開発した。オランダ政府も圧 縮天然ガスバス普及のために補助金交付の制度を制定したが、少数台数の導入しかされなかったという。これは初期導入・維持コスト・走行距離などにおいて、 ディーゼルエンジンが優れていたためであるとみられている。
その一方、圧縮天然ガス自動車においては、燃料が気体である事から液体燃料よりも重量は軽く、燃料タンクを樹脂製にすることでタンク自体の軽量化も行なうことが可能である。このことから、床下機器の配置に工夫を要するバス車両の低床化(特にノンステップバス)においては、圧縮天然ガスバスの場合は燃料タンクを屋根上に搭載し、床下から燃料タンクを廃することで解決が容易という利点がある。
しかし、トヨタ・プリウスや、日野・ブルーリボンシティハイブリッドといった、特別な設備を必要としないハイブリッドカーの普及が進んでいることもあり、CNG仕様車は次第に廃止される傾向が目立っている。
一般的には天然ガスを往復式内燃機関で燃焼する事によって走行するが、マイクロガスタービンで発電したり改質して燃料電池で発電したりする燃料電池自動車も開発が進められる。また、1970年10月23日に1014.513 km/hの世界記録を樹立したブルー・フレームも液化天然ガスを燃料としていた。
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